本日は、AQBインプラント主催の「日本先進インプラント医療学会(AIM)」の記念すべき 第一回の学術大会ということで 久しぶりに丸の内へ行っておりました。
暫く見ない間に 丸の内は益々巨大化を遂げていました。大地主であるスリーダイア(三菱)主導の再開発は、オフィス街のイメージだった丸の内をオシャレな街にしたいとの狙いがあるようです。
しかしながら 日曜日の丸の内は 以前同様 まだまだ人通りが少なかったですね。
「清水に魚棲まず」 幕張新都心開発初期にも そういう陰口があったものです。
今後の開発に期待しましょう。
再開発の進む丸の内 日曜日の寂しいブランド通り
昼食をとった和食処です
さて 本日の学術大会、第一回大会ということで主催者側も頑張られたようで 盛り沢山の内容でありましたが、一臨床家としましては 日頃接触に乏しい 大学や専門機関の研究者の方々のお話というものに とても興味があるものです。
そういう意味では、京都大学で整形外科用インプラントの開発、研究をされている方のお話が最も興味深いものでありました。
骨粗鬆症に伴う 骨折、変形性関節症の治療法として整形外科でもインプラント治療が行われておりますが、最先端の開発状況は歯科インプラントにおいても参考になるものがありました。
そして残念ながら 基礎研究の段階では それほどアメリカに遜色の無い日本のレベルも 臨床の段階になると大きく遅れをとってしまっていることを再認識することにもなりました。
BMP-2含有スキャフォルドの開発もアメリカ頼みになりそうです。
ついでではありますが、本日は 骨粗鬆症と歯科の関わりについて少しばかりお話しましょう。
新しい骨を作る骨芽細胞と古い骨を壊す破骨細胞によってバランスよく保たれている骨の新陳代謝も 高齢の女性においては 閉経後 骨芽細胞の働きを活性化するエストロゲン(性ホルモン)の産出量が急速に低下してしまうので 破骨細胞優位の状況になってしまいます。
つまり骨が破壊されることばかりが多くなり、骨がスカスカになってきます。これが骨粗鬆症です。
蛇足ですが、若い女性の過激なダイエット、拒食症は無月経となり、閉経時と同様にエストロゲンの機能が低下してしまうので 骨粗鬆症を促進します。将来大変なことになりますよ。気をつけましょう。
骨粗鬆症の治療法としての エストロゲン補充療法は、発ガンリスクなどがあることから ビスフォスフォネート剤と呼ばれるお薬の投与が現在 主に行われています。
ビスフォスフォネート剤には破骨細胞の働きを抑制する作用があるので 整形外科においては骨粗鬆症の治療、予防に広範囲に使用されているのですが、歯科においては このビスフォスフォネート剤が 以前から色々と問題になっているのです。
長期にビスフォスフォネート剤の投与を受けている方が、歯科で抜歯などの処置をした場合、顎の骨に難治性(非常に治りにくい)の炎症を起こす場合が稀(10万人に0.7人ほど)にあるのです。
現在 まだ治療法は確立されておりませんので ビスフォスフォネート剤の投与を受けている患者様は 歯科治療時に必ず そのことを申し出て頂ければと思います。