総入れ歯 を使用されていらっしゃる方は、大なり小なり何らかの不満を抱えているようであります。 痛くて噛めない、思いっきり噛めない、上手くしゃべれない・・・・。
勿論 中には「いや、私は総入れ歯で何不自由なく食生活を謳歌している」という方もいらっしゃるかもしれませんが。
入れ歯での咬合力(噛む力)は、健全な天然歯で噛む場合の1/4~1/3ほどまで極端に低下します。
咬合力が弱い ということは、入れ歯の下の骨には 適度なメカニカルストレス(荷重)が及んでいない ということです。 そしてそれは骨代謝(適度なメカニカルストレスは 骨を造る骨芽細胞を活性化させます)による骨の維持が保てない ということです。
つまりは 総入れ歯で噛んでいますと徐々に骨が痩せていき、老人様顔貌が促進されることになります。
骨が痩せていくのを食い止める方法として 総入れ歯をインプラントに変更する方法について考えてみましょう。
上の写真は、松田歯科クリニックに通われております 年配の御婦人のレントゲン像です。 下顎の奥歯部分は殆ど骨が残っていません。このままではインプラント植立は無理なので 大規模な骨移植を行うか 3Dプリントアウトしたテーラーメイド人工骨(東大病院 顎口腔外科)を利用するしかありません。
しかしながら 総入れ歯ともなりますと可也 御高齢の方が多いわけでありますので 肉体的、精神的に このような負担の大きな手術に耐えられない可能性があります。
現状の骨の状態を最大限に利用して 少ないインプラント本数でなるべく多くの負担ができる方法を考えなければなりません。
上の写真の下顎は、比較的丈夫な骨がある前歯部分に6本のインプラントを埋入して奥歯まで支える方法です。 オール オン シックス と呼ばれます。 4本でする オール オン フォー という方法もあります。
ALL-ON-6 ALL-ON-4
上顎の方は 金曜日にインプラント埋入(2ピースという2回に分けて土台を埋めるやり方)をしたのですが、 下顎とは逆に前歯には殆ど骨が残ってありませんが、奥歯部分には多少骨が残っていましたので 奥歯に左右4本の埋入となりました。
当初は インプラントに磁石を付けて「マグネット義歯」にする予定だったのですが、あまりにも簡単にインプラント治療が終了しましたので 「先生のとこは 途中で休憩もできるし、とっても楽だったわ」と おっしゃって頂けました。
そして 「これだったらまだまだ大丈夫」と勇気が出てきたのでありましょうか オペ終了後に 前歯もインプラントに変更することを決意されました。
はい、私も賛成です。 どうせなら ここまで来たのですから入れ歯よりも 全部インプラントで噛めるようにしましょう。
その方が遥かに良く噛めるようになるはずです。
上顎 CT 解析画像
全体の設計につきましては CT画像などを参考にして これからじっくりお話していきましょう。
現在 総入れ歯でお悩みの方、 貴方に合った最適な方法を一緒に考えてみませんか。