ブログ

2008.12.27

究極のアンチエイジング

本日は、近い将来のインプラント治療に備えて 抜歯と骨増生の同時治療を希望される患者様のオペが最後にありました。

歯を抜いたところをそのままにしておくと 周りの骨は吸収して肉芽組織になってしまいますので 抜いてできた穴に骨補填剤を流し込みます。この骨補填剤は吸収されながら やがて本当の骨と置換していきます。

今回のオペでは、β-TCP と呼ばれる骨補填剤にrhPDGF-BB と呼ばれる人工の成長因子を配合したものを使用しました。 β-TCP単独使用よりも約3倍の骨誘導効果があると言われています。  その効果は私自身 何度も体験しております。

現在 米国FDAの認可を受けている 成長因子配合の商品は、このPDGFを用いたものと BMP-2と呼ばれる 骨形成タンパク を用いたものがありますが、以前からお伝えしている通り、BMP-2は、その素晴らしい効果と引き換えに あまりにも高額な治療費を請求することになりますので 松田歯科クリニックでは 未だ使用したことはありません。

現時点では、大量の骨造成には、BMP-2よりも骨移植の方が遥かに安価に行えるので 松田歯科クリニックでは、東大病院の顎口腔外科に骨移植を委託、インプラント埋入は松田歯科クリニックで という最も経済効率の高い方法をお勧めしております。 

実際に松田歯科クリニックからの依頼で 東大病院の方で治療を受けている患者様が現在おられます。

松田歯科クリニックは、これからも経済効率も含めて最も効果的な骨の造り方を患者様と一緒に考えていきたいと思っております。

私の所属するスタディ・グループである「東京形成歯科研究会」は、その名の通り美容形成的な観点から歯科治療を研究しております。 一般的な歯科治療という概念ではなく、顎顔面のトータルビューティーを目指している と言った方がいいのかもしれません。

歯の喪失 その他に因り 顎骨が吸収するということは、それに付随する筋肉も萎縮、退縮してしまうことは解剖学的にも明らかであります。

つまり骨が少なくなるということは、表情筋その他の筋肉も萎縮し、ハリのある若々しい顔貌を徐々に失うということであります。

インプラント治療により 顎骨の吸収を食い止める 或いは 骨造成を行う ということは、そういう意味におきまして 実に有効なアンチエイジング手段であることが御理解頂けると思います。

ボトックス注射するよりも 前歯部を中心に骨補填した方が、永続的 且つ 遥かに効果的な皮膚のハリを蘇らせることができますよ。

何事も基礎、土台が大事です。砂上の楼閣は意味を成し得ません。

この考え方は床矯正治療にも当てはまります。 床矯正治療は、主にお子様の顎顔面の発育を促進させることに主体があると私個人は認識しております。顎や中顔面の骨を発育させるということは、前述のようにそれに付随する表情筋などの発育も促進されるわけですから 表情の豊かな子供に成長していくわけです。

蛇足ですが、いかに豚足などコラーゲン豊かな食品を食したところで それがご自分の肌のコラーゲン増加に直結するわけではありません。普通の蛋白質として消化され、アミノ酸になるだけです。 

「昨日豚足を食べたせいか 今日は化粧のノリがいいわ・・・」 多分それは気のせいです。

まずは しっかりとした顎骨を造り、しっかりと噛めるような噛みあわせを確立することによって筋肉も発達し、皮膚にもハリが出てくるのです。

どうしてもそれだけじゃ物足らない とおっしゃるのなら レーザーを照射をお勧めします。私が知り合いの先生を紹介しますよ。

皮膚の内側と外側から刺激を与えれば あなたにも納得のいく皮膚のハリが得られるのではないでしょうか。

先日は 愛知医科大で再生医療ベンチャー(ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング)の技術を利用して培養した自家培養皮膚の国内初の移植が成功となりました。

これで 年齢を重ねてもシミもシワも無い若々しい肌を保ちたい という女性の永遠の夢にまた一歩近づいたといえるでしょう。

再生医療は、骨再生から始まって培養皮膚、培養軟骨、培養角膜・・・と徐々に広がっていきそうです。

アンチエイジングは、徐々にその究極の姿を見せつつあります。