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2020.04.11

歯科サイドから(みなさんに出来る)新型コロナウイルス対策を考える

新型コロナウイルスの最も怖いところは 猛烈なサイトカインストーム(自己免疫の暴走)であることがはっきりしてきました。

 

自分の免疫系統が過剰反応を起こして 自らの健全な組織をも徹底的に攻撃、破壊してしまうのです。それは肺だけに留まらず、血液を通して多臓器不全に陥ってしまうようです。

 

糖尿病、関節リウマチ、膠原病等の患者様は免疫力が低下しておりますので 特に注意が必要です。

 

 

ところでみなさんは世界で最も蔓延している病気はなんだと思いますか?

 

答えは「歯周病」なんです。そして歯周病は 狭心症、心筋梗塞等の心疾患、脳梗塞等の脳疾患、糖尿病、誤嚥性肺炎、骨粗鬆症、慢性関節リウマチ等の原因となっていることも解明されつつあります。

 

ただの歯茎の病気だから・・・・と思っている方も多いかもしれませんが、歯周病は全身疾患、そして全身の免疫力と密接に関わる非常に重要な疾患であることをしっかりと認識してください。

先ずは 限りある免疫資源を歯周病菌と戦わせないようにすることが全身の免疫力アップに最も大事なことです。これは癌病棟でも実践されていることなんですよ。

 

歯周病においても炎症性サイトカインはたくさん作られています。そしてその炎症性サイトカインは血液を通して体中の様々な組織に作用することになるのです。サイトカインストームとまでは呼べないかもしれないですが 歯周病も新型コロナ同様に多臓器不全を起こしているのです。 歯周病がなければ前述のような多くの基礎疾患も発症しにくくなるはずです。

 

私は歯科医師なので 歯科の立場から言わせて頂くならば 新型コロナウイルスに負けない為には歯周病にならないように、或は症状を緩和させるようにしっかりと毎食後と寝る前に歯磨きをしましょう!  そして定期的に歯科医院にクリーニングにいらして下さい!ということになりますね。

それが新型コロナウイルスに対するあなたの免疫力を高める第一歩です。

勿論 食事の質、睡眠、ストレス 等も免疫と関わってきます。

 

現在 コロナ治療の最前線の医療従事者は ビタミンC、Dの点滴を打っていると聞きますが、みなさんはそこまでしなくてもいいと思います。

毎日のことですから ① ミネラルを多く含んだ玄米、海藻類  ② 食物繊維やビタミンC、Dを多く含む野菜類、キノコ類  ③ 腸内細菌を活発にしてくれる 味噌、納豆、ヨーグルト等の発酵食品 等をバランス良く食していれば確実に免疫力アップするはずです。

 

そして虫歯のないしっかりとした噛み合わせでよく咀嚼しましょう! (専門的に言いますと 咀嚼によって誘発される唾液中のリゾチーム、ラクトペルオキシターゼ、IgA(免疫抗体)などは殺菌、感染防御因子ですから 新型コロナの予防、免疫アップに役立ちます)

 

もしも日本人が噂されているように本当に新型コロナに強い民族だと仮定したならば 発酵食品や海藻類を多く摂取していることが多少関係しているのかもしれませんね。緑茶も関係あるのかもしれないです。 BCG云々については私からはなんとも言えません。

 

 

 

本日 出勤前にテレビを観ておりましたら ノーベル医学生理学賞受賞の本庶先生が、新型コロナの感染者に対する治療薬として「急性期には抗ウイルス剤のアビガンを、重症肺炎時のサイトカインストームには アクテムラを」とおっしゃっていました。

 

「アクテムラ」は基本的に関節リウマチの治療薬ですが、やはりサイトカインストームには自己免疫疾患治療薬との判断となるようです。

 

ロシュ中外の「アクテムラ」同様に サノフィ、リジェネロンも関節リウマチ治療薬の「ケブザラ」での新型コロナに対する臨床試験プログラムを米国内で開始してます。

 

「アクテムラ」、「ケザブラ」共に抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体を使ったものです。

 

ノバルティスが治験を行っているJAK阻害薬「ジャガビ」は骨髄繊維症や真性多血症の薬ですが、アクテムラやケブザラ同様に TNF-α(腫瘍壊死因子α)やIL-6(インターロイキン6)などの炎症性サイトカインの過剰活性を抑制する作用があるようです。

 

新型コロナウイルスがどうして急激なサイトカインストームを起すのかは未だ解明できていないようですが、必ずや重症患者に対する特効薬が開発されるものと信じたいですね。

 

少しずつ暖かくなってきました。 以前のブログで申した通り 私は6月末までの一旦の収束を今でも期待しております。