昨日 帰宅してからぼんやりとTVを観ていると 「ヒールオゾン」による虫歯治療についての放送がありました。御覧になられた方ともいらっしゃると思います。
ヒールオゾン装置はドイツのカボ社より発売されている虫歯の治療システムで、日本ではまだ医療機器として認可されていないのですが、 オゾンの殺菌力を利用して、虫歯や歯の根っこの中の殺菌を行うものです。
治療効果に対するエビデンス(証明)も まだ十分とは言えないですし、実際 使用されている先生にお聞きしても効果に疑問を持たれている方もいらっしゃいます。
私としては、「ヒールオゾン」を否定するつもりはサラサラありませんが、万能では無いということを患者様にも認識して頂ければと思っています。
ヒールオゾン治療の発想は、より多くの歯医者さんでやっている 3Mix-MP療法(スリーミックス-エムピーりょうほう)というものと似ています(こちらも保険診療外です)
正しくは病巣無菌化組織修復療法3Mix-MP療法といい、細菌を殺す三種の抗菌剤(3Mix)とマクロゴール(M)・プロピレングリコール(P)を混合した軟膏を虫歯のところに付けて虫歯菌をやっつけていくものです。
この他にも保険診療外の虫歯の治療法には、レーザーを使用するもの、酸化アルミナを用いた噴射切削法(エアーアブレーシブ)などがあります。
歯の根っこの治療にも レーザーを使用するもの、高周波を使用するもの などがあります。
ただ日本には世界に冠たる健康保険制度が紛れも無く現存しているわけで 虫歯の治療まで自費で行いたいとする患者様の需要が欧米ほど存在するのか? という疑問もあります。
虫歯の治療法をどうするか というパッシブな選択よりも 虫歯にならないよう予防をしっかりとしていこう というアクティブな発想を患者様に期待しまして PMTCやフッ素塗布、ブラッシング指導 からマクロビオティックな食生活指導までアシストさせて頂ければ それがなによりですね。