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2008.01.04

デンタル-メディカル・ネットワーク

本日 東大病院のほうからの紹介ということで 術前の口腔ケアを希望される患者様が初来院されました。

我々歯科医師は、歯の治療のみで活動する時代は終わり、トータルヘルスケアの観点から 医科と積極的に連携し、患者様の健康をサポートしていくべき時代が直ぐ其処に来ていることを最近痛切に感じております。

術前及び入院患者様の口腔状態の維持・改善を行なう口腔ケアが多くの合併症を予防し、全身機能を高め、患者様のQOL(生活の質)を向上させることにより、在院日数の短縮につながるケアであることが次第に認識されてきたようです。

平成18年、歌手の本田美奈子さんが急性白血病で亡くなりました。その闘病生活において辛かったことは、口内炎の頻発だったそうです。抗がん剤の副作用のため口の中全体に口内炎ができ、食事摂取がままならなかったようです。

高用量のがん化学療法を受けた患者様では、口腔感染症および口腔細菌が原因となる全身感染症は重大な問題となります。積極的な口腔ケアの導入は、全身続発症のリスクを減少させ、患者QOLや予後の向上に繋がるとされています。

積極的に医師と歯科医師の連携体制の確立を行っている 静岡がんセンター においては、がん患者様の口腔ケアで先駆的な取り組みを行っており、特に手術前手術後の口腔ケア(歯石除去やセルフケア指導等)を実施することで、合併症発生率軽減(頭頸部進行がんの再建手術では、手術前に口腔ケアを行うことで、手術後の合併症の発生率を通常の約7分の1に抑えることができる)や入院日数短縮に大きな効果を挙げている と言われています。

デンタル-メディカル・ネットワーク  国民の皆様の健康の維持、改善において今後の歯科開業医の責任は大きくなってくると思われます。