土曜日は 「日本メタルフリー臨床歯科学会」研修会に出席する為 午後より休診となってしまい 誠に申し訳ありませんでした。
先日 某国営放送でも「金属アレルギー」についての番組があったようですが、 近年 金属アレルギーで悩まれる方は 増加傾向にあり、 金属を使用しない (メタルフリーな) 歯科治療の重要性も増しつつあります。
「日本メタルフリー臨床歯科学会」は、メタルフリー治療に高い関心、知識を持つ先生方が集まってできた 未だ設立3年目の新しい学会です。 私も設立発起人として 設立時より関係しているわけですが、 微力ながら 今後とも学会の繁栄に貢献していきたいと思っている所存であります。
住友不動産汐留浜離宮ビル 「シロナ デンタルシステムズ」での研修会でした。 まだ外回りは工事をしており、完全に稼働しているとは言えない とても新しく静かなビルでした。
全く関係ないですが 途中で 光岡自動車「オロチ」に初めて遭遇しました。 少なくともルックス的にはイタリアン スーパースポーツに負けていないド迫力ですね。 道行く人々の注目度も満点でした。
ジルコニアセラミックを主とした 最近のメタルフリー治療の進化は CAD/CAMの進化に大きく依存していると言って過言ではありません。 最新のジルコニアの精度に 非常に高いものがあるのも CAD/CAMシステムがソフト、ハード共に大きく進歩してきているからであります。
ジルコニア自体も進化してきており、 奥歯のブリッジであっても 強度、耐久性 共に全く問題ないレベルになりましたし、何よりもコストダウンが進んでおり、 以前よりも患者様に低価格で御提供することが可能になった ということが最も大きな進歩かもしれません。
近年 ニッケル、コバルト、クロム といった以前から「金属アレルギー」の主因といわれた金属のみならず パラジウム、インジウム、 そして金に対しても 金属アレルギーが多く報告されるようになってきました。
そして 残念ながら チタンに対する金属アレルギーも 稀ではありますが、報告されるようになってきました。
金属アレルギー検査である 簡易「パッチテスト」実演風景
これは つまるところ 突き詰めれば お口の中に金属は入れないほうがいい という結論になってくるわけです。
(この結論は あらゆる角度から勘案するに なかなか現実的に難しいことではありますので 飽くまでも理想論として受け止めて頂ければ幸いであります)
少なくとも メタルフリーに対する努力はしていかなければならないのは事実でありますので 当院は 審美性のみならず 生体親和性に優れた メタルフリーな歯科治療を今後とも進めていきたいと思っております。
それでは 下の写真を御覧下さい。 下の前歯が 1本無いケースですね。
そのままインプランをするにはスペースが少し厳しいようです。 矯正治療で もう少しスペースを確保してインプラントにするのもいいでしょう。 ただし時間もお金も結構掛かりますね。 インプラント後の歯肉退縮のリスクもありそうです。
隣在歯の裏側を薄く削ってジルコニアによる メリーランドブリッジ(接着ブリッジ)にすれば 上図のように それほど負担なく大きく審美性の改善ができるわけです。
確かにむし歯でない歯は なるべく削らない方がいいわけですが、 審美性、経済性など トータルで判断すれば全てのケースにおいて インプラントがプライオリティー(優先権)をもつわけではないのです。
それほど天然歯を削合せずに済む ジルコニア・メリーランド ブリッジは 欠損歯補綴の選択肢として確かなプライオリティーをもっていると思われます。
最後に ジルコニア・インプラントについて 少しばかり説明したいと思います。
現在 FDAの認可を受けているジルコニア・インプラントは スイスのZ-Systemes社のみでありますが、既に欧米においては2万件以上の実績を誇り、 チタンインプラントに遜色のない経過が報告されているようであります。
メタルフリー時代を意識すれば 当院も ジルコニア インプラント導入に向けて動かざるを得ないと考えているところであります。
メタルフリーなインプラントに御興味をもたれた患者様からの相談 無料にて歓迎致します。